喫煙習慣が生活習慣病につながる理由

喫煙には強い依存性があり、血管収縮作用が強く高血圧・脳卒中の原因となり、また糖代謝や脂質代謝にも異常をきたすことで、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を引き起こします。
全身の細胞に結合し、細胞を酸化・老化させたり、傷つけたりします。 本来は酸素と結合すべき赤血球のヘモグロビンと結合し、全身への酸素供給も妨げてしまいます。
発症しやすい代表的な疾患
がん
たばことがんの関係について、たくさんの疫学調査や実験が行われてきました。その結果、肺、食道、すい臓、口腔、咽頭、膀胱のがんについては喫煙との因果関係があると判断されています。
がんの発症は、喫煙者のほうが非喫煙者に比べ高くなり、「咽頭がん」32.5倍、「口腔・咽頭がん」3倍、「肺がん」4.5倍、「子宮頸がん」1.6倍です。
循環器疾患
動脈硬化や血栓の形成が進むことから、虚血性心疾患を引き起こす原因となります。また、脳卒中(脳出血、くも膜出血、脳梗塞)のリスクを高めます。それだけでなく、喫煙は動脈硬化性疾患の早期発症や重症化にもつながることが報告されています。
呼吸器疾患
たばこの煙が通過する呼吸器は、その悪影響を最も受ける器官です。喫煙により、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を発症する危険性が非常に高くなります。COPDが重症化すると少し動くだけでも息切れしてしまい、酸素吸入が必要になるなど生活に大きく影響を与えます。日本においてCOPDで亡くなる方は年々増加しています。
糖尿病
喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させ、さらにインスリンの働きを妨げます。そのため糖尿病にかかりやすくなります。また、糖尿病の患者様が喫煙すると治療の妨げとなり、動脈硬化や糖尿病性腎症などの合併症リスクが高まります。
禁煙の重要性

喫煙に健康メリットはありません。
タバコを吸うことは、ニコチンやタール、一酸化炭素などの有害物質が身体に悪影響を与え、がんや循環器疾患などのリスクを高める原因になります。
タバコを止めるのに遅いことはありません。禁煙をサポートする医療機関もありますので、うまく活用しましょう。

周囲に対する影響
喫煙している本人以外にも、タバコの煙によって周りの人は受動喫煙してしまいます。
特に受動喫煙による肺がんのリスクは、1.28倍との研究結果もありますので、周りの人への配慮も必要だということが分かるでしょう。
まずは検診で自分の体の事を知ってください

不安がある方は生活習慣病健診
生活習慣病の早期発見・予防のための健診です。肥満度のチェックをはじめ、高血圧、動脈硬化、心臓病、腎臓病、肝臓病、肺の病気、胃ガン、胃・十二指腸潰瘍、糖尿病等の代謝疾患といったさまざまな病気の早期発見や異常のチェックを行ないます。