生活習慣病とは

生活習慣病とは、長期間の生活の乱れ(不規則で偏食・過食な食生活、運動不足、喫煙・多量な飲酒、過剰なストレス など)が引き金となって起こる病気の総称になります。代表的な疾患としては、糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)などがあります。
生活習慣病になる原因
年齢、性別
生活習慣病は30~40歳代に急増してきます。さらに近年は発症年齢が低下し、子供にもその兆候が見られるようになってきました。これも食生活の変化、運動不足などが原因となっています。
食生活
家庭の食卓やファースト・フードなどで出されるハンバーグやカレーライス、スパゲッティーなどは、現代人がよく食べる食事です。
戦後の食生活の欧米化は、外食だけではなく、家庭にまでも進出しています。
しかし、これらは高カロリー、高脂肪食(特に動物性脂肪)の代表で、肥満をうながすだけではなく、高脂血症や糖尿病などを発症させて動脈硬化を促進、さらには心臓病などを引き起こす原因となります。
また保存食の多用に伴う塩分のとり過ぎも指摘されており、塩分は高血圧を助長し、動脈硬化を促進するので注意が必要です。
飲酒
厚生労働省の調査によると、日本での研究に加え、欧米人も対象とした研究を含めて検討した結果、男性は1日当たり純アルコール10~19g、女性は1日当たり純アルコール9gまでがもっとも死亡率が低く、1日当たりのアルコール量が増えることで死亡率が上昇するとされています。
通常のアルコール代謝機能を有している日本人の「節度ある適度な飲酒」としては、1日平均純アルコールで約20g程度が目安です。
喫煙
喫煙者は、がんや心臓病、脳卒中、肺気腫、喘息など、特定の重要な疾病の罹患率や死亡率などが高いことは、多くの疫学研究などにより指摘されています。喫煙は、生活習慣病との因果関係は強いということは知っておきましょう。禁煙することが一番の対策ですが、今までの習慣を変えることが難しい時は禁煙外来などを検討してみても良いでしょう。
運動量
運動することで罹患リスクを抑えられる生活習慣病として、糖尿病や心疾患、脳血管疾患、がんなどが挙げられます。さらには、適度な運動は認知症にも効果があるとされています。
しかし運動することで生活習慣病の罹患リスクを下げられるからといって、若者から高齢者まで一律で同じ運動をすることは難しいでしょう。特に高齢者は、運動することによって逆にケガをしてしまう可能性もあります。
睡眠時間、休日日数
厚生労働省が発表している「健康づくりのための睡眠指針2014」において、睡眠と生活習慣病との関係が指摘されており、睡眠不足が、肥満、高血圧、循環器疾患、メタボリックシンドロームを発症させる危険性を高めるとしています。
また、睡眠時無呼吸症候群も生活習慣病の原因としており、いわゆる「いびき」が高血圧、糖尿病、脳卒中、虚血性心疾患などの危険因子であるとされています。いびきは禁煙、節酒をすることで改善に有効であるとしています。
ストレス
ストレスは、生活習慣病の原因としては比較的最近になって注目され始めました。注目が遅れたのは、ストレスと生活習慣病の因果関係がなかなかつかめなかったからでしょう。しかしストレスの研究が進むにつれ、健康に深刻な影響をもたらすことがわかってきました。
過剰なストレスを受けると、不安や悲しみ、怒りといった心理的な反応が起きます。その結果、過食や大量の飲酒・喫煙といった生活習慣の乱れが生じます。それが生活習慣病の発症リスクを高めるおそれがあるのです。
生活習慣病に繋がりやすい生活習慣
食べ過ぎ、塩分過多や高脂質などの偏った食事、不規則な食事時間といった食習慣、運動不足、喫煙や飲酒などの習慣が生活習慣病の発症の原因となります。その他の要因としては、ストレスや過労なども挙げられます。
不規則な生活によって、内臓脂肪型肥満となる内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)を引き起こすことが、生活習慣病発症のリスクを増加させます。また、生活習慣病には遺伝的要素も関わりがあるとの報告もあります。
乱れた食生活

偏った食事をすることによって、栄養バランスが崩れ、特定の栄養素が不足したり、逆に過剰に摂取することがあります。
たとえば、脂肪分や糖分が多く、野菜や果物、食物繊維などの栄養素が不足した食事を続けると、肥満や高血圧、高血糖などの生活習慣病のリスクが高まります。
睡眠などの休養不足

睡眠不足や質の悪い睡眠も、生活習慣病と深い関わりがあります。慢性的な睡眠不足は日中の眠気、意欲や集中力の低下を招き、ホルモン分泌や自律神経のバランス悪化をもたらします。糖尿病、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患にかかりやすくなるという研究もあります。
過度な飲酒習慣

飲み過ぎは肝臓、食道、胃腸、膵臓などさまざまな臓器に悪影響を及ぼします。中でも影響を受けやすいのが肝臓です。アルコールによる肝臓障害には脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変、肝臓がんなどがあります。また、多量飲酒は急性アルコール中毒に、習慣的な飲酒はアルコール依存症になるリスクも伴います。
生活習慣病にならないために

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